将来が心配!子供の食事の好き嫌いをなくそう!

子供がすくすく成長するために食事は欠かせません。
しかし近年では、食べ物の好き嫌いが激しい子が増えてきています。
好きな物しか食べないでいると、将来に影響を及ぼしかねません。
いろいろな料理をモリモリ食べてもらうのが理想です。
親として好き嫌いのない子に育てるために、この記事では嫌いな物の原因や、その克服法を考えていきたいと思います。
目次
好き嫌いと偏食の違い

『好き嫌い』と『偏食』はニュアンスが微妙に異なります。
『好き嫌い』は、数ある食べ物の中で特定の物を嫌って食べないことを指します。
例えば、野菜炒めは食べられてもニンジンだけ食べなかったり、鶏肉は食べられても皮が嫌で横にはじくようなことです。
これも問題ではありますが、口にしないのは一部に限られるため、いざとなれば他の物でその栄養素を補うことはできます。
『偏食』は、その名の通り偏った食生活のことで、数ある食べ物の中でも特定の物しか食べないことを指します。
例えば、野菜を全く食べずに肉しか食べなかったり、おかずを食べずにパンだけを食べるようなことです。
いつも口にする物が一定に限られて栄養が偏るため、近年では大きな問題となっています。
好き嫌いが出始めてくる軽度の段階で、嫌いなものを克服させたいところです。
ピークの年齢

生後半年あたりから離乳食が始まり、そこから2歳ごろまでにいろいろな味覚を覚えていきます。
そして2歳ごろからは、徐々に好き嫌いが出てきます。
「イヤイヤ期」の始まりです。
自我や自己主張が芽生え始めるこのころから、今まで食べていた物すら急に食べなくなってしまうこともあります。
そして、そのまま嫌いな状態を放っておくと、4~5歳にそのピークが訪れ、小学校に入るころには偏食へと繋がる可能性が出てきます。
子供の喜ぶ姿が見たいがために好きな物ばかりを食べさせると、後々悩みが大きくなってしまうかもしれませんね。
子供に多い 好き嫌いの原因

好き嫌いの原因はいくつも考えられます。
1. 食の経験の浅さ
子供は食の経験が浅く、感受性がとても強いです。
色々な味や食感に慣れていないと、いざ食べて一度でも嫌になると、その後いっさい口にしなくなる場合があります。
2. 恐怖心
今まで食べたことがない物には、防衛本能が働いて、怖がって食べることを拒否する場合があります。
3. トラウマ
以前食べた物により、下痢、嘔吐、発熱などの弊害があった場合は、トラウマになり受け付けなくなることがあります。
4. 間食
子供の胃は大人ほど大きくありません。
食事前にお菓子を食べてお腹がいっぱいになれば、当然食事は好きな物しか食べなくなります。
5. 遺伝や親の影響
親御さんにも好き嫌いがあり、その価値観がそのまま子供に伝わると、子供はそれが当たり前だと思い口にしなくなります。
偏食は栄養失調になる恐れが!?

案の定、嫌いになりやすい食べ物には栄養素がたくさん含まれていることが多いです。
緑黄色野菜は免疫力、抵抗力アップに繋がります。
魚はDHA、EPAが、子供の脳の発達にたくさん作用して頭の回転が良くなります。
肉はタンパク質、アミノ酸が豊富で体を作ります。
海藻はミネラル、食物繊維が体の調子を整えます。
乳製品はタンパク質、カルシウムを含んで骨や体を作ります。
これはほんの一部ですが、仮にこれらの食材のいずれかをいっさい口にしない偏食となると、やはり成長に影響を及ぼしかねません。
これは大人にも言えますが、食事はバランスが大事なのです。
嫌いなものを克服させよう!

「何でも食べるのが当たり前」にさせなければいけません。
嫌いな物がある場合、これらを試してみる価値はあります。
1. 見本を見せる
大人が美味しそうに「これ美味しい!」と言って子供の前で食べている所を見せると、子供は「食べてみようかな」という気持ちが湧きます。
2. コミュニケーション
「これを食べると強くなれるよ!」などと、言葉を使って気持ちを前向きにさせるのも手段です。
そして食べたら、大げさに褒めてあげるのも達成感が生まれて食べ続けるようになるかもしれません。
3. 興味を惹かせる
子供は何よりキャラクター物が好きです。
キャラ弁にしてみたり、キャラクターの食器にしてみたり、あえて嫌いな食材だけにキャラクターのピックを刺すなどして工夫してみてください。
4. 自分が携わったと実感させる
子供に調理の一部を手伝ってもらうのも効果があります。
もちろん危険な工程箇所は避けるべきですが、ピーラーで野菜の皮を剥かせたり、卵を割らせたりと、自分がその料理に携わったことを実感させて食欲を沸かせてみましょう。
また、野菜はプランターや庭で育てるなどして、水やりや収穫をさせてみるのも有効です。
5. 様々な方向から試す
『焼いたものが嫌いでも、揚げたものなら食べられる。』
嫌いな食材でも、調理法を変えてみると食べることはあります。
これは味付けも同様です。
また、食べやすさも考えてみてあげてください。
例え、 卵が嫌いな子でも、茶碗蒸しのようにスルッと口に入ればすんなり食べたりもします。
違う入口からその食材を好きになり、本来食べなかった料理すら克服するケースはよくあります。
意外な盲点

案外逆効果なのが、バレなければいいと思って、ナイショで嫌いな食材を料理の中に混入させて食べさせることです。
万が一子供がそれに気づいた時には、騙されたと思い、さらに苦手意識が大きくなってしまいます。
大事なのは、その食材を自らの意思で進んで食べられるようにさせることです。
仮に料理に入れたとしても、そこは正直に入っていることを伝え、「僕でも私でも◯◯が食べられる!」となるように、根本から苦手意識を取り除く工夫が重要なのです。
どうして嫌うのか?
食材ごとの理由、対処法、おすすめの献立例
それでは、おもに子供が嫌う食材ごとの理由や対処法、おすすめの献立例をあげてみましょう。
野菜嫌いの場合

■■■ 野菜を食べない理由 ■■■
- 色
見た目で判断する場合があります。
特に色の濃い緑黄色野菜は嫌う傾向にあります。 - 匂いや香り
青臭さが鼻について嫌うことがあります。 - 味と食感
子供には未知の味や食感、苦み、酸っぱさなどが未体験なので拒否する場合があります。
■■■ 対処法 ■■■
- 切り方を工夫して、口に入りやすいように細かくしてあげましょう。
- 嫌いな野菜にキャラクターのピックを刺してみましょう。
- 下茹でをしたり、炒めるなどして食感を柔らかく変えましょう。
- チーズや卵を使って苦味や酸味を中和させましょう。
※ 野菜嫌いは大人になると減ってくる傾向にあります。
■■■ 野菜嫌いの子におすすめの料理の例 ■■■
【卵とじのスープ】
材料 | 2人前 |
---|---|
嫌いな野菜 (例えば ほうれん草、 ニンジン、トマトなど) |
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肉、又はベーコンや ウインナー |
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水 | 450ml |
コンソメ | 小さじ2杯 |
塩、又は醤油 | 少々 |
溶き卵 | 1コ分 |
【作り方】
- 鍋に油又はバターを熱し、嫌いな材料と肉を入れて炒める。
- 水を入れコンソメ、塩を加え煮立ったら2~3分弱火で煮る。
- 最後に溶き卵を煮立っているスープに少しずつ入れて卵を固める。
※ 水溶き片栗粉を入れてトロミをつけても食べやすくなります。
魚嫌いの場合

■■■ 魚を食べない理由 ■■■
- 生臭さ
生魚の生臭い匂いで嫌う場合があります。 - 骨がある食べにくさ
焼き魚などを食べて、一度骨が喉に刺さるような経験をすると拒否する傾向にあります。 - パサパサ感
ジューシーさがない料理は子供はあまり好きではありません。
■■■ 対処法 ■■■
- 生臭さの少ない刺身用の魚を食べさせてみましょう。
- マヨネーズやチーズを使うと魚本来の味を消してくれます。
- 骨は完全に取り除いて食べやすくしましょう。
- 缶詰を使ってみるのも良いでしょう。
※ 大人でも魚が苦手な人は多いですが、自分だったらどんな魚料理が好きか考えて作ってみましょう。
■■■ 魚嫌いの子におすすめの料理の例 ■■■
【ツナの炊き込みご飯】
材料 | 2人前 |
---|---|
ツナ缶 | 1缶(80g入り) |
米 | 2合 |
酒 | 大さじ2杯 |
醤油 | 小さじ2杯 |
塩 | 小さじ1/3杯 |
水 | 2合分 |
【作り方】
- ツナ缶の油を切っておく。
- 米をといで炊飯器に入れる。
- 酒・醤油・塩を入れてから水を炊飯器の2の線まで入れて混ぜる。
- 最後にツナ缶を米の上に広げて炊く。
※ 焼き魚の骨と皮を取り除き身をほぐしてツナ缶の代わりに入れても良いです。
肉嫌いの場合

■■■ 肉を食べない理由 ■■■
- 大きさ
子供の小さな口に入りきらない大きめの肉は、食べづらくて嫌になるかもしれません。 - 噛み切れない
スジばっている肉を噛み切れず無理矢理飲み込むと、喉に詰まる事もありトラウマになりかねません。 - 肉の香り
あまり火を通していない肉の場合、生臭さで拒否してしまう場合があります。 - 想像力
生きている姿を連想してかわいそうに思ってしまい抵抗を覚えます。
■■■ 対処法 ■■■
- やわらかく煮込むと口に入りやすくなります。
- トロミをつけるのも口に運びやすくなります。
- 子供の口より小さく、食べやすいサイズにしてみましょう。
- 酒や味付けで臭みを取ってみましょう。
※ ひき肉なら、混ぜるなどして口に入りやすいので肉を摂取しやすいです。
■■■ 肉嫌いの子におすすめの料理の例 ■■■
【お好み焼き】
材料 | 2人前 |
---|---|
お好み焼き粉 | 50g |
水 | 袋の表示に従う量 |
肉 | 少量 |
キャベツ | 60g位 |
焼きそば | 50g位 |
揚げ玉 | 20g位 |
卵 | 1コ |
ソース | 適宜 |
マヨネーズ | 適宜 |
【作り方】
- ボールにお好み焼き粉を入れ、水を少しずつ加えて混ぜる。
- 肉は細かく切るか、ひき肉にする。キャベツは千切りにする。揚げ玉はそのまま使う。
- 1と2を混ぜる。
- 卵を入れて軽く混ぜる。
- フライパンに油を入れて熱し④を入れ広げる。
- 弱火で両面6分程焼く。
- ソースとマヨネーズをかけ皿に盛る。
※ お好み焼きは子供の好きな食べ物です。好きな食材と一緒に入れて作ってください。
卵嫌いの場合

■■■ 卵を食べない理由 ■■■
- 食感
生卵の白身のヌルっとした食感や、火の通った卵の黄身のボソボソ感を嫌う傾向にあります。 - 不慣れ
親がアレルギーを気にして、あまり食べさせなかった場合にありがちです。 - 味がしない
健康を考えて味付けをほとんどせずに食べさせると、あまり味がしないので好んで食べないかもしれません。
■■■ 対処法 ■■■
- 半熟は避けてしっかり焼いてみてください。
- 黄身を嫌う場合、よく混ぜて、炒り卵にしてみてください。(甘い味、塩を少し入れて火を通す)
- まずは卵を隠し味として、何かの料理に含めてみるのも策です。
※ 自分で卵の殻を割らせてみたり、焼く前に混ぜさせたり、フライパンに入れさせて焼く所を見せると興味をもつ場合があります。
■■■ 卵嫌いの子におすすめの料理の例 ■■■
【フレンチトースト】
材料 | 3枚分 |
---|---|
食パン | 3枚 |
卵 | 1コ |
牛乳 | 100ml |
砂糖 | 大さじ2杯 |
バニラエッセンス | 5滴 |
【作り方】
- パンの耳を切り落とし、食べやすい大きさに切る。
- ボールに卵を割り入れ、牛乳、砂糖、バニラエッセンスを加えて泡立て器で良く混ぜる。
- 2に1のパンを入れ、2の卵汁がすべて吸い込むまで浸ける。
- フライパンにバターを熱し、3のパンを入れて両面中火できれいな焼き色がつくまで焼く。
※ 卵本来の原型は消え、子供の好きなバニラエッセンスの香りがするので食べてもらえると思います。「卵が入ってるんだよ!」と言って、卵に対しての抵抗感を取り除きましょう。
『将来が心配!子供の食事の好き嫌いをなくそう!』まとめ

子供の好き嫌いは自我の表れからすでに始まり、その理由は様々です。
しかしそこで親御さんも、「食べないのは仕方ない」と諦めないでください。
「どうやったら食べるのか?」を探求しながら、根気よくチャレンジしてみてください。
食事こそ子供の成長や発達には大事です。
それにより将来が左右されると言っても過言ではありません。
「言葉を覚えさせる」「挨拶をさせる」などと同等に、是非とも食事にも気を使いながら育児をしていただけたらと思います。