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ニトリの包丁の中でどんな包丁を買えばいい?

ニトリの包丁の中でどんな包丁を買えばいい?

ニトリで売っている包丁

ニトリで売っている包丁

※ニトリネットより(2022年6月現在)

先日ニトリさんに行ってきました。
その日は家具を見に行ったのですが、職業柄つい調理器具を見てしまう癖が出てしまい、本来の目的を忘れて包丁コーナーへ。

よく初心者の方に包丁の選び方を聞かれるので、どなたでも訪れやすいニトリさんにもおすすめできる包丁はないかチェックしました。
さすが「お値段以上のニトリさん」。
リーズナブルでしたよ。
しかし、安いだけで包丁を選んではいけません。
果たしておすすめできる一丁はあったのか!?

この記事では、料理初心者さんに向けた基礎的な包丁の解説を簡単にまとめ、ニトリさんで包丁を買うならどれがおすすめかを紹介していきたいと思います。

最初に買う包丁は このどちらかの形状で

まずは包丁の形状(刃の形・種類)のお話です。
包丁は切る用途によっていろいろな形状がありますが、その中でとりあえず一丁だけ使うなら、次の2種の形状のうちどちらかがあれば良いかと思います。

「三徳包丁」または「牛刀(ぎゅうとう)」です。
おもにこのどちらかで食材を切っているご家庭が多いのではないでしょうか。
ニトリさんでもこの2種の包丁を中心に売られていましたので比較してみます。

三徳包丁

三徳包丁

「包丁 = 三徳包丁」と連想される方も多く、昔から日本で親しまれているシェア率の高い包丁です。 肉、魚、野菜に対応できることから三徳と名付けられています。

刃の幅(刃の高さ)が広く、先端が丸いのが特徴です。
刃の幅が広いことから、キャベツを丸ごと千切りにする際など高さのある食材は切りやすいです。
しかしその反面、キュウリを薄く切る際などには刃に付きやすいのが難点です。

牛刀

牛刀

シェフナイフとも呼ばれ、世界中で使われている西洋包丁です。
元々は肉を小さく切るために作られた包丁でしたが、使い勝手が良い所から、今では他の食材もこれ一丁で済ませている方が多いです。

刃の幅が三徳包丁より狭く、先端が尖っているのが特徴です。
先端が尖っているため、肉のスジ切りやトマトのヘタをくり抜く時など細かい作業にも便利です。
しかし刃の幅が狭いため、高さのある食材は切りにくい場合があります。

おすすめの形状

というわけで、この2種はその方のニーズによるため、正直お好みでよろしいかと思います。
が!しいておすすめを言いますと・・・

★ 牛刀をおすすめします。

おすすめの形状

あくまでもこれはこの2種を長年使ってきた個人的な感想です。
やはり料理をしていると細かい作業をする場面もよくあるため、先が尖っているほうが格段に便利です。
本来細工する際にはペティナイフという小さな包丁を使用しますが、初心者さんにはそこまでの細工は必要ないかと思いますので牛刀で十分です。
この牛刀の形状に慣れさえすれば、高さのある食材にも対応はできるので、三徳包丁以上に万能な印象です。
今まで三徳包丁を使っていた方も最初は違和感があるかもしれませんが、使い続ければその良さが分かっていただけるのではないでしょうか。

しばらくはこの牛刀だけあれば十分です。
追々はペティナイフ、菜切り包丁、出刃包丁なども買い揃えればよろしいかと思います。

代表的な材質

代表的な材質

次に悩むのが包丁の材質(素材)です。
むしろこちらのほうが悩む方が多いのではないでしょうか。
形状は見た目でパッと分かりますが、材質はある程度の知識がないと難しいものです。

そこで、まずは材質の知識を得ていただくために、代表的な材質4種の特徴を簡単にお話ししましょう。

ステンレス

王道の材質で、一般家庭でこの包丁を使っている方は多いはずです。
合金技術の発達により、今ではステンレスでもいろいろな種類が開発されています。

鋼(はがね)

包丁にとことんこだわりたい方は間違いなくこの包丁。
手入れを頻繁にする必要はありますが、プロの料理人さんもよく使っています。

セラミック

金属ではなく陶磁器になるため、錆びる事がなく食洗機にもかけられます。
イラストが印刷されていたりデザインにも富んでいます。

チタン

軽い材質で殺菌効果もあります。
この「軽い」というのは利点でもありますが、切る時には逆に力が必要かもしれません。

今はどの材質も進化していて、各材質でより使いやすい包丁の開発が進んでいます。

それでは、どの材質の包丁を選べば良いのでしょうか?
以下の点に着目し、向き不向きを見て見ましょう。

  • 切れ味の良い材質
  • 錆びにくい材質
  • 刃こぼれしにくい材質
  • 研ぎやすい材質

それぞれのカテゴリーで
良い=◎  普通=○  いまいち=●
で表記したいと思います。

切れ味の良い材質

切れ味の良い材質

包丁は食材を切るための道具です。
やはりスパッと切れる包丁が好ましいですよね。
あまりにも切れ味が悪いと、トマトなどの柔らかい食材は潰れてしまいます。

○ステンレス
◎鋼
◎セラミック
●チタン

どの材質の包丁も 新品なら切れ味が良いのは当然ですが、この中では特に鋼とセラミックが良いとされています。
チタンも決して切れない包丁というわけではありません。

錆び(さび)にくい材質

錆び(さび)にくい材質

包丁を使い続ける際に悩みなのが、錆びることです。
包丁が錆びると切れ味が落ち、切った食材は鉄臭く感じ衛生面も良くありません。
錆びを取り除くアイテムもありますが、念のため洗ったらしっかり拭いて、乾かしてから片付けましょう。

○ステンレス
●鋼
◎セラミック
◎チタン

セラミックとチタンはこの問題に特化した材質です。
ステンレスも比較的、錆びには強いとされています。
逆に鋼は群を抜いて錆びやすいため、頻繁な手入れが必要です。

刃こぼれしにくい材質

刃こぼれしにくい材質

包丁の刃が欠けることを「刃こぼれ」と言います。
刃こぼれは固い食材、例えば魚を骨ごと切る(頭を落とす)時や、分厚い皮のカボチャなどを切る時に起こりやすくなります。
こうなってしまうと、初心者さんには修復は困難かと思われます。

◎ステンレス
○鋼
●セラミック
●チタン

言えるのは、どの材質でも使い方を誤れば刃こぼれを起こす恐れはあります。
しかしこの中では、ステンレスは耐久性があるほうではないでしょうか。
セラミックやチタンは固い材質の分、刃こぼれを起こしやすいです。

研ぎ(とぎ)やすい材質

研ぎ(とぎ)やすい材質

包丁は切れ味が悪くなってからの事も考えなくてはなりません。
包丁を買ったら「研ぐ」という作業も抱き合わせで考えていかなくてはならないのです。
「切れ味が悪くなったらすぐに研ぐ」。
これを心がければ、その包丁を長年に渡って使い続けられます。

○ステンレス
◎鋼
●セラミック
●チタン

鋼は柔らかい材質のため、どなたでも簡単に研げます。
セラミックは切れ味がなかなか衰えない材質でもありますが、いざ切れなくなって研ぐ場合、その固さから刃こぼれしないように注意が必要です。

おすすめの材質

おすすめの材質

大まかですが分かっていただけましたでしょうか?

包丁はどんな材質でも、使い方やその頻度によっていつかは切れ味が衰えます。
その時、研げば切れ味がほぼリカバリーされますので、包丁をずっと長く使うために研ぐことも視野に入れておいてください。

セラミックとチタンは刃こぼれを起こしやすい時点で、この一丁だけを使用して料理を続けるのには向いていないかもしれません。
第二・第三の包丁に向いています。

鋼は錆びに弱いですが、研ぎやすい一面もあるため、頻繁に手入れをするのが大前提の包丁です。
日々手入れを怠らない料理人さんが使用しているのも頷けますね。
しかし、多くの方は そこまで頻繁に手入れができないのではないでしょうか。
そのためやはり・・・

★ 初心者の方にはステンレスが無難かと思われます。

やはりステンレスはバランスがとれているため、沢山の方がご家庭で使用しているのもその理由ではないでしょうか。
また、他の材質と掛け合わせて、切れ味が増している物や錆びに強い物も多いです。
ニトリさんにも沢山売られていました。

ニトリで包丁を買うならコレ!

・・・と、その前に、まずは「選んで欲しくない包丁」をあえて言わせていただきます。
これはどんな材質の包丁にも言えますが・・・

★ 安い包丁は長持ちしないのでおすすめできません。

あまりにも安い包丁は、やはりその程度の材質のため、切れ味が持続せず研ぎにくい物が多いのでおすすめできません。
包丁の切れ味が落ちると料理をするモチベーションも下がりやすいので、それなりの価格帯(¥4000〜)で長く使い続けられる包丁選びをおすすめします。

それでは本題に戻ります!

初心者さんがニトリさんで包丁を買うならどの包丁を買えばいいのか、おすすめの一丁です。
初心者さんがニトリさんで包丁を買うなら・・・

★ 「関孫六/形状:牛刀/材質:ステンレスクラッド複合材」をおすすめします。

関孫六/形状:牛刀/材質:ステンレスクラッド複合材

※ニトリネットより(2022年6月現在)

おすすめの理由

老舗メーカー貝印さんの関孫六シリーズは、日本だけに留まらず世界でも有名です。
形状については先に書いた通り「牛刀」となります。(この三徳包丁も売られていましたが。)
材質について簡単に言うと、ステンレスと鋼の利点を合わせている、いわばハイブリッドの材質です。
切れ味も良く、それが長続きし、錆びにも比較的強く、砥ぎやすい材質なので良い所取りです。
価格から見ても初心者さんには嬉しいコスパの良さではないでしょうか。

ニトリさんにはもっと良い材質の包丁もありました。
「ダマスカス」という包丁も今人気がありますが、ニトリさんでは おすすめの牛刀は製造していないそうで三徳包丁のみの販売でした。(2022年現在)

今回は「初心者さんがニトリさんで包丁を買うなら」という趣旨で上記の包丁をおすすめしました。
より良い包丁を言えばキリがありませんので、上級者の方をはじめ、もしそれ以上の包丁をお求めになりたい場合は 包丁専門店に行かれたほうがよろしいかもしれません。

そして!・・・

★ 包丁と一緒に「シャープナー(包丁砥ぎ器)」も是非!

シャープナー(包丁砥ぎ器)

※ニトリYahoo!店より(2022年6月現在)

こちらもニトリさんに売られていました。
砥石もありましたが、最初は簡単に砥げる このシャープナーだけあれば十分です。
包丁の切れ味が悪くなったら、包丁の刃をシャープナーの溝に合わせてシャッシャと数回引くだけです。
こちらは溝が1つの「簡易シャープナー」ですが、よりしっかりと研ぎたい方は「2段式ダブルシャープナー」もおすすめです。
「3段式トリプルシャープナー」もありますが、今回おすすめする包丁ですとここまでは必要ないかと思います。

包丁は長い目で見て選ぼう

包丁は長い目で見て選ぼう

包丁は切れなくなったら買い替える方もいらっしゃいますが、本来は研げば切れ味が戻るため、何十年にも渡って使い続けられる物なのです。
そしてその包丁を長く使い続ければ使い続けるほど、その分手に馴染むので使いやすくなります。

料理をするうえで欠かせない道具、包丁。
どれを選ぶかでキッチンライフの充実度も変わってきます。
包丁をご購入の際には、これから長い付き合いにするつもりで選んでいただければと思います。

※ この記事の包丁の形状や材質の解説は、長年使用しての個人的見解によるものです。

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